日野宿本陣 |
日野宿本陣基本情報
日野宿本陣の入口 |
現在は日野市立新選組のふるさと歴史館分館としてのこる「日野宿本陣(ひのじゅくほんじん)」。
都内で唯一残る江戸時代に建てられた本陣建物である。
現存する建物は、嘉永2年(1849)1月18日の大火で焼失してしまった主屋にかわるものとして建設された。
元治元年(1864年)日野宿の問屋と日野本郷名主を務めていた佐藤彦五郎が本陣兼自宅として使用。
日野宿本陣邸宅 |
佐藤彦五郎と新選組
嘉永3年(1850年)天然理心流に弟子入りした彦五郎は自邸の敷地内に道場を立てる。
この道場に近藤勇、土方歳三、沖田総司、山南敬助、井上源三郎が出稽古に訪れている。
近藤勇
佐藤彦五郎は近藤勇にとって兄弟子であり、義兄弟の盃を交わした中である。
最後まで新選組のサポートを続け、いわばスポンサーのような存在であった。
土方歳三
佐藤彦五郎は、歳三にとって姉のとくの旦那にあたる。
従妹であり義兄弟。
転戦を繰り返し北海道で戦っていた歳三は愛刀・和泉守兼定と自分の写真を預け市村鉄之助に預け、「日野・佐藤家に届けてくれ」と函館から脱出させた。
姉がいたということもあるが、若かりし頃彦五郎宅によく入り浸っていた歳三にとって佐藤家は自分の実家のような存在だったのではないか。
大石鍬次郎
もともとは武士だった鍬次郎だが若い時に出奔。
ながれながれて日野で大工として生活をしていた。
そんな時、ふと竹刀の打ち合う音が聞こえる。
若いころ小野派一刀流に入門し下総への剣修行の旅を経験していた鍬次郎は血が騒ぐ。
その道場こそ佐藤彦五郎宅に作られた道場であった。
大工として佐藤家に出入りしていた鍬次郎。日野宿本陣には大石鍬次郎が張ったとされる天井が現存している。
(『聞きがき新選組』より。)
大工時代の大石鍬次郎が貼ったとされる天井 |
日野宿本陣のここは見逃すな!
〇天然理心流佐藤道場跡の石碑
〇敷地内に建つ道場跡。
ここに若いころの近藤勇、土方歳三、沖田総司、山南敬助、井上源三郎、大石鍬次郎が通い汗を流したことを思うと感慨深い。ファンであれば必見。
〇大工時代の大石鍬次郎があったとされる書斎の天井
佐藤彦五郎の孫にあたる佐藤昱氏が父の残した家伝「籬蔭史話」上・中・下より、重要と思われる中編を編纂した「聞き書き新選組」その文章の中に、大石鍬次郎が大工時代に貼った天井のが合う書斎で執筆している、という一文がある。現存しているのでこの書斎は必見。
佐藤彦五郎の生涯
日野宿本陣を自宅としていた佐藤彦五郎は文政十年(1827年)、武蔵国多摩郡日野宿で生まれた。父は半次郎。
母はまさ。
長男であった彦五郎は11歳で祖父の10代彦右衛門から日野本郷名主、日野宿問屋役、日野組合村寄場名主を継ぐ。
弘化二年(1845年)、のちの新選組副長、石田村の土方歳三の姉で従妹にあたるとくと結婚。土方歳三にとっては従妹であり義理の兄になった。
嘉永二年一月十八日(1849年2月10日)、日野宿を焼く大火が発生。
その際盗賊により母親が眼前で斬殺されるのを見て自衛の必要を痛感した彦五郎は、嘉永3年(1850年)に天然理心流3代目宗家・近藤周助の門人となった。自宅の東側の一角に日野宿では初となる道場を設た。
この道場に近藤勇、土方歳三、沖田総司らが出稽古に訪れていた。
安政二年近藤勇と義兄弟の杯を交わしている
文久三年。近藤らが浪士組に参加し上洛する際には資金を提供した。
新選組がなった際も佐藤と近藤のやり取りは続き、近藤は京都の情勢を、佐藤は江戸の情勢を伝えあっていた。
慶応二年(1866年)の武州一揆鎮圧や八王子壷伊勢屋での薩摩浪士捕縛などで活躍している。
慶応四年(1868年)三月 新選組の残党とタマ地域の農民からなる「春日隊」を結成し「甲陽鎮部隊」に参加。
甲州勝沼戦争に加わったが敗走、新政府軍に追われる身となった佐藤は身を隠す生活となる。しかし翌月日野宿有志の嘆願により公務に復帰。晴れて追われる身から解放された。
明治維新後は小島鹿之助らと共に賊軍とされた近藤らの新選組隊士の復権と顕彰に尽力する。
現在、高幡不動の境内に「殉節両雄之碑」が建てられているが、この建立にも関わっている。
明治五年(1872年)名を俊正と改める。
明治十一年(1878年)郡区町村編制法により多摩郡が東西南北に分けられたとき初代南多摩郡長となる。
明治三十五年(1902年)死去。享年76。
施設情報・アクセス方法
入館料大人200円、小人50円
開館時間9:30~17:00 (入館は16:30まで)
休館日毎週月曜日、※祝日にあたる日はその翌日、年末年始 (その他臨時休館日あり)
所在地:日野市日野本町2-15-9
電車JR中央線日野駅から徒歩12分。バス京王線高幡不動から日野行きバス(実践女子短大経由)
「生活保健センター」下車 徒歩5分
日野宿交流館
日野宿交流館 |
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